大学での授業
わたしが大学で取っていた同時通訳の授業は1週間に1回(1時間30分)、月曜日の一限でねむ〜い時にいきなり頭がしゃきっとするような授業です。集中力を要しますが、優しく丁寧に教えてくださった先生のおかげで1年間通いつづけることができました。
(4月から6月まで)LL教室での授業。
*北朝鮮の飢餓についての英語ニュースを流し、それを聞きながら同じことを英語でくり返す
(shadowing)。くり返すだけで、簡単そうだけれど、次の文章を聞きながら、口では前の文章を言わないといけないので、なかなか大変。時々口が止まってしまう。ニュースを3つにわけて、授業が終わったらその日の分のスクリプトをもらう。もちろん、LL教室なので、テープに録音でき、家で聞くと自分が言葉を濁しているところなどもよくわかる。次の授業では、最初に先週の分のニュースを原稿を見ながら shadowing 。次に原稿を見ずに。
*男の子が毎週日曜日のジョギングのコースについて英語で話すテープが教材。「まず、公園の外に車を駐車して、、、、、公園に入ったら右に曲がり、、、、、ジャングルジムの周りを2周して、、、、」という感じ。ところどころでテープを止めて、当てられた人が暗記したセンテンスをくり返す( reproduction )。このセンテンスは一人1、2センテンスだけど、2番目に当たった人は1番目の人の分のセンテンスもくり返し、3番目の人は、1番目、2番目の人の分のセンテンスもくり返す。どんどん暗記する部分が増えていく。1番目の人が "John takes jogging every Sunday." と言うと、2番目の人は"John takes jogging every Sunday. He parks his car outside the park." と言い、3番目の人は"John takes jogging every Sunday. He parks his car outside the park. He runs into the entrance of the park and turns right." となる。これが、最後の方に当たると、John が公園を1周して帰るまでになるけれど、最初から全部を覚えるよりはるかに楽に覚えられた。
*国際ニュース、国内ニュース。それぞれ、10秒から20秒くらいのヘッドラインニュースを聞いてそのポイント(自分が聞き取れた分だけ)を書き取る。先生による採点の後、授業でテープを聞きなおし、みんなで聞き取りを復習。ニュースには普段学べない表現があるので、大変有効。
*宿題に、日本の行政機関の英語訳や、世界のいろいろな機関の略語の英語訳、を覚えてくる。大抵こういう宿題が出たのは1週間休講がある時でした。次の週には、簡単なテストがありました。
(7月)同時通訳ブースでの授業。英語ー>日本語
*日本文化についての英語での講演が教材。前の週に原稿をもらって、予習したい人はする。同時通訳ブースに入って、原稿を見てもいいがとにかくやってみる。原稿を見ないでもやってみた。原稿を見るとなかなか訳も出てきたのだけれど、原稿がないと、内容がわかっていても口が固まってしまうことがあった。けれど、わたしは原稿を見ていた時は、単に原稿を英語に合わせて読んでいただけだったのです。このことで思ったのは、とにかく集中して英語を聞くこと、です。原稿やメモなどを見ている暇がないくらいに英語に集中して、訳するのが一番効率のよい方法だと思いました。わからない英語や日本語があってもメモや原稿を頼らないようにするには、知識を増やすことだと思いました。メモなどを見ると、(英語のわからない単語を聞く)ー>「あ、この単語わからない」ー>「メモを見よう」ー>「えっと、どれかな」ー>「あ、これこれ」ー>(日本語訳が出る)というふうに、時間がかかってしまいます。その間にもスピーカーはしゃべり続けているので、大変です。
(9月〜)同時通訳ブースでの授業。日本語ー>英語
*夏休みの宿題だった、一人一人が自分の興味の持った時事問題について調べてきて、約5分間でまとめて発表する。それを、ブースに入った生徒が英語に訳す。発表者は単語表も作ってくることになっているのだけれど、ブースに入ると見ている暇もない。これで、日本語ー>英語の同時通訳は、英語ー>日本語の同時通訳よりも難しいことが判明。というのも、日本語の語順では、動詞が最後に出てくるので、<主語+動詞+〜>という語順の英語に訳すには、文の最後まで待っていないといけないからです。けれど、文の最後まで待っていると、次の文が聞こえてくるし、、、きっと、なにか日本語ー>英語の同時通訳にはなにか秘訣があるはず、と現在、情報収集中。この情報については、2、日本語の語順と英語の語順に詳しく書きます。
(12月〜)テープを使っての授業。 英語ー>日本語
*日米経済についてのテープ(英語)を聞いて逐次通訳。大体一人1センテンスを聞き、メモを取り、当てられたら訳す。
(最後にテスト)
*日本語から英語へ、英語から日本語へ、の同時通訳テスト。1年間の成果を発揮すべく、、、
(ここで、わたしの学校の同時通訳ブースについて)
*図書館の4階のデシジョンルームに隣接して5台の機械(1台は2人で使用できる)があります。仕切りがしてあるため、1台につき一人しか入れないので、とてももったいない!仕切り、と言っても完全なブースではないので、自分がまったく(訳がわからなくて)声が出ない時などは、他の人の声が聞こえてきて、かなりのプレッシャーとなります。ブースに入っていない生徒はデシジョンルームで、ブースから出てくる訳をイヤホンで聞きます。普通の授業はデシジョンルームのほうでやっています。デシジョンルームは20人強が入る小さな会議室ですが、一人一人に同時通訳の機械の Delegate's Unit があります。また、会議進行者用に Chairman's Unit が一つあり、そのマイクは、Delegates (代表者)の発言をさえぎることができます。この Chairman's Unit と Delegate's Unit には、同時通訳者からの "Slowly" と "Repeat"というリクエストを知らせる機能もあります。同時通訳者がブースで「わけわからん!」と思ったら、ブースのほうで"Slowly" または "Repeat"のボタンを押すと、 Delegate's Unit でそれが光るのです。発言者があんまり興奮して、そのリクエストに気付かなかったら最悪だなぁ、と思ったわたしでした。また、同時通訳者のブースに入るとまず、Mike On のボタンを押します。 Offにしておけば、なにを言っても聞こえないのです。その他にも、 Cough Cut (咳カット)という、短い咳やくしゃみや「えへん」とか言うのを瞬間的に切ってくれるボタンもあります。
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カテゴリー:通訳勉強法
